各種資料にみる街並み写真(主に商店街風景)

各種資料に収められている商店街の懐かしい風景を紹介していきます。(商店街以外の画像もあります。)


●「上町商店街」(上町/1969年発行より)

昭和40年代半ばの、上町(うえまち)商店街の風景。昭和30年代から40年代にかけて、通りには町の名前が表示されたアーチがかけられていました。

左にみえる仏壇店「日進堂」の南隣が「長友食堂」で、そのカドから左折すると「旭通り」(駅方向)へと続きます。

●七夕祭り(上町通り / 1969年発行より)

昭和40年代は「七夕まつり」が毎年開催され(3日間開催)、たいへんな盛況ぶりでした。飾り付けるだけでなく、クルクル回転するギミック(仕掛け)が施された品などもあり、市民がアイデアを凝らした多彩な飾りが通りにあふれました。「十五夜祭り」と共におなじみの行事でしたが、現在は行われていません。

向かって左端に見える、カドの店「芳賀化粧品」から西方向へ入ると「八幡通り」へと続きます。

●国道十号線の完成(原町/1963年発行より)

上原町地区から、国道十号線を挟んで東側の下原町地区をのぞむ一枚。

昭和30年頃から整備されてきた新国道(現在の国道10号線。当時はまだ旧国道が現役の「10号線」であったため、新しい国道は新国道と呼ばれていた)。昭和38年、塩見大橋の完成をもって、この付近の国道10号線はひとまず開通しました。

画面中央に大きく映っている3階建ての建物は、電報電話局。(のちのNTT日向営業所。なお現在ここはファミリーマートになっています)

本素材はおそらく、原町にあった消防署のそばに存在していた望楼(いわゆる火の見やぐら)から撮影したものと思われます。この消防本部にあった望楼は約30メートルの巨大な鉄塔でしたが、昭和39年に消防本部が市役所横に新築移転した際に無くなりました。

●改称した当時の日向市駅(上町/1963年発行より)

日向市の中心にあった国鉄駅「富高駅」は大正10年に開業しました。富高町→富島町→日向市と、自治体の名前は時代の流れとともに移り変わりましたが、「富高駅」の名称が変わることはありませんでした。しかし昭和38年ついに名称を変更し「日向市駅」となりました。玄関付近には改称を記念したセレモニーの際に使用された「祝日向市駅」の祝塔がみられます。

なお、富高駅舎は創業当初は木造でしたが、昭和27年にこの写真にあるコンクリート製の外観に改築されました。また昭和20年代まで駅前は広くスペースがとられていましたが、戦後に車が増えはじめたこともあり、この昭和38年の改装工事では路面の舗装をおこなったほか、車が周回できるようなロータリーを兼ねたグリーンベルト(亜熱帯植物などを植えた緑地エリア)も作られました。

●吉田文具店付近での舞踊隊の踊り(1963年発行より)

十五夜祭りでの一枚。「花屋台」と呼ばれる移動式造形物がみられます。

向かって右が吉田文具店。向かって左が内山金物店で、その奥が内山商會(内山ゴム)。

●三日月堂付近での交通確認(1963年発行より)

この三日月堂前の四つ角は、電気信号が設置されるまで「手信号」の警察官が立って交通整理をしていた、交通量の多い場所でした。

左奥のカドの白いコンクリ建物は三日月堂。その向かいに黒く映っているのは文具店「ライオン堂」。

看板にある映画ポスター「あの人はいま」は岩下志麻主演の松竹映画(1963年3月16日公開作品)。

●迎洋園のつつじ祭り風景(1963年発行より)

毎年4月中旬に催される、迎洋園の「つつじ祭り」は昭和50年代前半まで続いた恒例行事でありました。現在、この付近は新興住宅街となっています。「迎洋園」は財部大将(昭和当時、位の高かった海軍大将)が名づけてくださった由緒ある名前ですが、所有者の名前からこの辺り一帯を綾部(あやべ)と呼ぶ古老もおられます。

●上町・駅前交差点(1956年発行より)

まだ舗装されていない路面を左折する宮崎交通のボンネットバス。昭和20年代中頃~30年代中頃にかけて走っていた車体と思われます。向かって右側は「吉田精肉店」。この一角は数年後に「中村精肉店」へと変わっています。南側に隣接する文房具店「ライオン堂」はその後、商店街を南側へ移動し本町交差点付近で営業しました。対面にある「竹島食堂」は30年代末頃まで20年近くこの駅前通りのカドで営業したようです。

商店街をまたぐようにかかるアーチは昭和30年代から40年代にかけて約20年ほど存在しました。上町に複数みられ、本町にはなく、しかし中町にもありました(治田商店とまるやの間)が、中町のモノは台風のため曲がってしまったため撤去されたといいます。上町のアーチは、後年は文字が新たに電気表示(ネオンサイン)となるなど進化を遂げました。

●昭和32年頃(?)の上町の街並み <↓> (個人蔵 写真)

十五夜祭りで撮られた、駅前四つ角の「中村精肉店」から南側並びの風景写真。手前より、戦前から営業している老舗「若竹酒店」、その隣は「いけなが薬局」、そして「林田文林堂」。文林堂の看板には「パイロット萬年筆」の文字が見えます。

書店「林田文林堂(ぶんりんどう)」はこの後、対面の角地(旧・竹島食堂跡)に移動して昭和40年代~50年代にかけて営業を継続しました(※さらにその後、文林堂店舗跡には昭和62年頃から高千穂カメラが入居しました)。

日向市・宮崎県の画像倉庫と昔語り(古い写真・昔の写真・懐かしい写真~富高・細島ほか)

日向市(主に富高、細島)をはじめとする宮崎県の古い写真・懐かしい写真を掲載する画像倉庫です。現在は昔語り(テキスト部分)も多めになっています。 画像展示メインの記事は、基本的には当方が撮影・所有するオリジナル写真で構成していきます。しかし歴史語りメインの記事は、一部、書籍・文献からの抜き出しや、戦前の絵葉書の使用もありますことをご了承ください。

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